© 2018 The Engineering Association for electric cone penetration test. All Rights Reserved.無断複写転載禁止

  • c-facebook
  • Twitter Classic
  • Google Classic

RIコーン貫入試験

①RIコーンとは

 Radioisotope(RI)コーン貫入試験は、サウンディング試験の一種であり、土の物理特性を素早く、深度方向に連続して評価することを可能にします。RIコーンは密度計と水分計の2種類のコーンからなり、それぞれ土の湿潤密度と含水量を測定します。RIコーンの測定原理は、地盤工学会基準の「(JGS1614-2012)RI計器による土の密度試験」と同等となります。

写真-1 RIコーンプローブと測定システム

②RIコーン測定の原理

 元素には同じ陽子の数で、中性子の数が異なるものが存在します。これらをアイソトープ(isotope、同位体)と呼びます。 アイソトープには、不安定なものがあり、放射線を放出して他の核種に変わるものがあります。放射線を放出して他の核種に変わる過程を壊変といい、壊変により他の核種に変わるアイソトープを、ラジオアイソトープ(放射性同位体、RI)と呼びます。

 

1.RIコーン密度計

 ガンマ線は極めて波長の短い電磁波で、原子核の壊変により発生します。物質透過能力は高く、阻止するためには1m程度のコンクリート壁が必要となります。ガンマ線エネルギーEγ=0.3MeV〜2.0MeVの範囲では、物質とガンマ線の相互作用は、そのほとんどがエネルギーの一部をその電子に与えてその電子をはじき出し、自らはエネルギーを減じて進路を変えるコンプトン効果となります。また、ガンマ線と物質の相互作用によりEγが減少する割合を表す計数を質量吸収係数といいます。 この質量吸収係数はEγ=0.3MeV〜2.0MeVの範囲で水素原子を除き主要元素間でほぼ同じ値となります。このことは、0.3〜2.0MeVの範囲のエネルギーを持つガンマ線が土の元素構成によらず、同じ反応を示すことを示しています。ガンマ線による密度測定はこのガンマ線の性質を利用しています。

 RIコーン密度計は、線源部に装着された   Cs(セシウム137)から放出されるガンマ線と電子とのコンプトン効果を利用して、電子の空間存在度に比例する質量の空間存在度=湿潤密度を測定します。

 なお、RIコーン密度計で地盤内の湿潤密度を測定する際は、線源を装着しない状態での自然ガンマ線強度(バックグラウンド:BG)を測定し、線源を装着した状態での総ガンマ線強度からBG値を差し引いた線源由来のガンマ線強度から湿潤密度を測定します。BG測定により、自然状態でのガンマ線強度の計測が可能です。

図-1 RIコーン密度計の計測原理

2.RIコーン水分計

 中性子線は高速で移動し、物質透過能力は極めて高く、水により遮蔽することができます。中性子は陽子とほぼ質量が同じであるため、陽子(水素原子核)との衝突で大きくエネルギーを喪失する性質があります。線源から放射された中性子は速中性子といい、高速で移動しています。 速中性子と地盤構成物質とが衝突した場合、質量の小さい中性子はほとんど速度を落とさず、運動方向のみを変えます。ただし、中性子とほぼ質量の等しい陽子(水素原子核)と衝突した場合のみ、その速度をほぼ失い、熱中性子となります。地盤中の水素はそのほとんどが水分子(H2O)として存在するため、熱中性子を測定することにより、地盤中の水素原子の量が計測できます。その結果、間接的に水の量を測定することができます。

 RIコーン水分計は、    Cf(カリホルニウム252)から放出される速中性子と物質を構成する原子の原子核との相互作用を利用しています。水素原子の原子核は、中性子の運動エネルギーを減衰させる能力が際立って高く、幾度か衝突を繰り返すことで運動エネルギーを失い、速度の遅い熱中性子に変わります。地盤中の水素原子のほとんどは、水(H2O)の構成元素として存在しています。そのため、熱中性子の量を計測することで水素原子の空間濃度、つまり、単位体積あたりの水の量を測定することができます。

図-2 RIコーン水分計の計測原理

③測定方法

 RIコーン貫入試験は、以下の測定手順で実施します。

1.貫入1回目(三成分+BG検層)

 先端に三成分コーンを取り付けた密度計コーンプローブを2cm/秒の速度で、所定の深度まで地盤に貫入します。途中、静的貫入が不能となる障害物層が存在する場合は、障害物を除去することを試みるか、試験を中止します。

2.貫入2回目(密度検層)

 密度計コーンプローブの先端部を三成分コーンからγ線線源コーンに付け替えて貫入し、ガンマ線強度の測定により地盤の湿潤密度を測定します。

3.貫入3回目(水分検層)

 水分計コーンプローブを貫入し、熱中性子線の測定により地盤の水分量を測定します。

※密度検層、水分検層は、三成分コーン+BG検層を実施した孔と同じ孔で行います。

貫入1回目
三成分+BG検層
貫入2回目
密度検層
貫入3回目
水分検層
図-3 RIコーン貫入試験手順

④RIコーンデータ

 RIコーン貫入試験から、湿潤密度,含水量の結果が得られます。湿潤密度と含水量の関係から、乾燥密度,含水比,間隙比,飽和度を求めます。RIコーンの測定結果と柱状図,CPTから得られた土質性状分類の結果例を図-4に示します。

図-4 RIコーン測定データの例