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間隙水圧消散試験

①間隙水圧消散試験
 消散試験は、三成分コーン実施時、任意の深度でコーンの貫入を一時停止して、粘性土の過剰間隙水圧が消散する状況を測定します。間隙水圧は、消散試験を十分長い時間実施すれば静水圧に収束しますが、消散試験では50%以上消散するまで測定を継続します。この消散時間(t50)は、地盤の側方圧密係数(cH)と透水係数(kH)によって支配されます。
 消散試験結果は、縦軸に間隙水圧u、横軸に経過時間の対数軸としたグラフ上に示し、測定開始時の最大間隙水圧から静水圧の半分まで消散する時間(t50)を求めます。(図-1)
CPT 消散試験結果図
CPT 消散試験結果図
CPT 消散試験結果図
CPT 消散試験結果図
CPT 消散試験結果図
図-1 消散試験結果例
②体積圧縮係数
 圧密による最終沈下量Sは以下の式により計算されます。(mv法)
…(式1)
ここで、S=圧密による最終沈下量(m)
    mv=体積圧縮係数(㎡/kN)
    Δp=増加圧力(kN)
    H=圧密地層厚(m)※両面排水は1/2
 体積圧縮係数 は(式2)により定義されています。圧密試験では間隙比(e)~圧密圧力(P)の関係から各荷重段階で求めます。
…(式2)
ここで、mv=体積圧縮係数(㎡/kN)
    Δε=圧縮ひずみ増分
    Δp=増加圧力(kN)
    e0=間隙比
    Δe=間隙比増分
 一方、CPT結果から体積圧縮係数 を(式3)の経験式により求めます。
…(式3)
ここで、αm=経験係数
    qt=補正先端抵抗(kN/㎡)
 Sangrelat(文献1)は、表-1に示すように、経験係数(αm)は先端抵抗(qt)に基づき、広範囲の細粒土および有機質土に対して変動することを提唱しました。
 また、Robertson(文献2)は、αmは(式4)のように、規準化先端抵抗(Qt)とともに変化することを提唱しました。
…(式4)
ここで、Qt=規準化先端抵抗
    Ic=土質性状指数
 圧密試験と消散試験から得られた体積圧縮係数(mv)の算定結果例を図-2に示します。
表-1 経験係数αm
図-2 体積圧縮係数の算定結果例
③側方圧密係数
 室内土質試験の圧密試験では、圧密係数Cは試験時の時間~変形量曲線から直接読み取ることができます。一方、三成分コーン貫入試験では、図-3に示すように過剰間隙水圧が50%消散する時間(t50)を用いて、次式により側方圧密係数(cH)を求めます。
…(式5)
ここで、cH=側方圧密係数(c㎡/day)
    T50=過剰間隙水圧50%消散時の時間係数
    R=コーン半径(cm)
    t50=過剰間隙水圧50%消散時の経過時間(sec)
 時間係数(T50)は、表-2に示すように、間隙水圧を測定する位置に応じた圧密度Uを使います。一般的に使用する間隙水圧の測定位置は肩となります。(文献3)
 表-3には、軟らかい粘土層に対するkH/kV値の変動範囲を示します。厚く堆積した沖積粘性土の場合、地盤中の異方性はないものとしてcV=cHとして扱います。(文献4)
 圧密試験と消散試験から得られた圧密係数(c)の算定結果例を図-4に示します。
図-3 t50とcHの関係
表-2 圧密度Uと時間係数Tの関係
表-3 軟らかい粘土層のkH/ kV値の変動範囲
図-4 圧密係数の算定結果例
④側方透水係数
 土の透水性と圧密特性は、圧密係数(c)と透水係数(k)を用いて表わし、側方透水係数は、側方圧密係数(cH)を用いて次式により求めます。
…(式6)
ここで、kH=側方透水係数(cm/sec)
    cH=側方圧密係数(c㎡/day)
    γw=水の単位体積重量(=9.8kN/㎥)

    M=地盤の拘束圧(kN/㎡)(=1/mv)

      mv=体積圧縮係数(㎡/kN)

 圧密試験と消散試験から得られた透水係数(k)の算定結果例を図-5に示します。
図-5 透水係数の算定結果例
⑤消散試験結果の利用
 目安として、1深度当り沖積粘性土で30分程度、洪積粘性土で1~2時間程度の測定時間が必要となります。若干時間を要しますが、三成分コーン貫入試験の際に手軽に実施できるのが消散試験のメリットです。本調査に入る前の予備調査や、室内試験を実施する深度を決定する際の予備調査に有効です。

 圧密係数と透水係数は、次数(10乗単位)で変動するために、地盤工学的測定で最も困難なパラメータの一つとなっています。このため、その変動が1次の次数以内であれば、その正確性は許容し得ると考えられています。

参考文献
  1. Sanglerat, G., 1972. The Penetrometer and Soil Exploration. Elsevier Pub., Amsterdam, 488pp.
  2. Robertson, P.K., 2009, Interpretation of Cone Penetration Tests – a unified approach., Canadian Geotechnical Journal, MS 08-158
  3. Teh, C.I., and Houlsby, G.T. 1991. An analytical study of the conepenetration test in clay. Geotechnique, 41 (1): 17-34.
  4. Jamiolkowski, M., Ladd, C.C., Germaine, J.T., and Lancellotta, R., 1985.New developments in field and laboratory testing of soils. In Proceedingsof the 11th International Conference on Soil Mechanics and FoundationEngineering. San Francisco, California, August 1985, Vol.1 pp. 57-153.