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HPTコーン貫入試験

①HPTコーンとは

 Hydraulic Profiling Tool(HPT)コーン貫入試験は、サウンディング試験の一種であり、土の水理特性を素早く、深度方向に連続的に評価することを可能にします。図-1に示すHPTプローブは、プローブ側面から地盤に対し直接注入される水の圧力反応を測定するために、プローブ内に水圧計を使用しています。HPTプローブを圧入または打撃し、水を300mL/分以下の一定流量で注入し、深度と共に層による水圧力を計測します。また、所定の間隔で貫入を停止させ、砂質土において静水圧を測定することも可能です。

 また、電気伝導率の双極子がプローブ内に組み込まれています。一般的に、電気伝導率は粒径に反比例します。つまり、伝導率が低い場合は大きな粒径に相当し、伝導率が高い場合は粒径が小さいことを示します。しかし、汚染物質の存在や塩水の混入など、電気伝導率の値に影響する他の要因に注意する必要があります。

CPT HPTコーン
図-1 HPTプローブ

②HPTシステム

 HPTシステムは、データロガー、コントロールボックス、ポンプの3つからなります。

 写真-1のデータロガー(上)とコントロールボックス(下)は、注水量と注水圧をモニターし、調整する装置を内蔵しています。流量はコントロールボックス前面のノブにより手動で調整し、バルブによってON/OFFを行います。

 写真-2のポンプは、システムを約620kPaに加圧し、プローブへの水の流れを十分確保できる構造になっています。

CPT HPTコーン システム
写真-1 データロガーとコントローラー
CPT HPTコーン ポンプ
写真-2 ポンプ
CPT HPTコーン 吐出
写真-3 水の吐出状況
CPT HPTコーン システム
図-2 HPTシステム

③HPTコーンデータ

 HPTから、流量,水圧,電気伝導率の結果が得られます。HPTの測定結果と柱状図,CPTから得られた土質性状分類の結果例を図-3図-4に示します。

 HPTで得られた水圧は、大気圧と静水圧を含んだ圧力となります。このため、測定した水圧から大気圧(101kPa)と静水圧を差し引いた水圧が、土粒子への浸透圧(P)となります。

 流量(Q)から浸透圧(P)を割った値(Q/P)を合わせてグラフに示します。この値を用いて透水係数(k)を求める提案がなされています。(文献1)

CPT HPTコーン データ
図-3 HPTコーン測定データの例①
CPT HPTコーン データ
図-4 HPTコーン測定データの例②
参考文献
  1. Geoprobe, 2010. Tech Guide for Calculation of Estimated Hydraulic Conductivity (Est. K) Log from HPT Data. Kejr Inc. Salina, KS. November. www.geoprobe.com
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